2016年 04月 07日
昔、行ったシャトーダンへ...
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まだ№2が、用事があるから呼んだのに「なにッ!?」の促音入りの不愉快な返事
ではなく、「ハーイ、なぁに?」と可愛い声で答えてくれていた大昔の頃、ロワール地方に点在するお城巡りの小旅行をした事がありました。
こういう時に役に立つのが、ミシュランのガイドブック。
シャンボール城はじめ、所謂ガイドブックに記載されている有名な古城を、数日間 かけて巡り、パリに戻る道の途中で、偶然立ち寄った場所がありました。
街の中は中世、そのまま。
坂が多くて、ゴロゴロした石畳みのまま坂になっており、その坂道の真ん中には溝が掘られ、うまく下水が流れるようになっていました。
そんな坂道に感動して、凸凹の坂道に躓かないように、足元に注意しながら歩いて いたら、「凄い!」と言うオットの声に、ふと目をやると、素晴らしい木組みの家に又、感動!
そして、その坂道を降りた所にあったお城は、それまで回ってきたロワール地方の 有名な古城等の華やかさはなく、ほぼ観光客は来ないんだろうなあと思えるような お城でした。
もう夕方になっていて、多分閉館ギリギリだった筈なのに「もしよかったら、城内をご覧になりませんか?ご案内しますよ」と、おっしゃって下さったお言葉に甘えて、見学させていただきました。
螺旋階段を登り、一番上の部屋に入ると大きな暖炉があり、さらに小さなバルコンの床には規則正しく穴が開いていたので、その理由を聞くと「ここから熱した油や石を落として戦う為の穴」だったそう。
まぁ、まるで楠木正成の千早城の攻防戦のようだわ。
フランス人も日本人も、戦いの時に考える事は、国や時代が違っても一緒なのね。
....と、そんな思い出があった場所へずーっと行きたいと思いつつ、ずーっと行け
なかったお城-シャトーダンへ、実は、あのイタリア旅行の前に行ってきました。
勿論、お城は変わっていなくて、昔、見た時のままでした。
あの時と違うのは、日本語のパンフもできて、さらに数人集まったら、城内をご案内して下さるという事だったので、今回はフランス人達と共に見学。
アジア人は私達だけだったので、皆さん“このアジア人達に、フランスの歴史が分かるのかしら?”的な不思議そうな顔をしていましたけれど、皆さん、ご心配無用ですわ。
こっちには、あの時は小さかった№2が、こんなに
螺旋階段の彫刻も、あの時のままで、風化していなかった事に感動しました。
残念ながら、昔は入れた最上階には行けませんでしたが、今回初めて行ったのが食糧庫になっていた円筒系の建物。
このお城は、素朴な木組みの天井が美しく、さらに窓も鉄枠だけでなく木材が使われ彫刻をほどこされた石壁の冷たい印象を温かいものにしていました。
22.3年経ったら、当たり前ですよね。
でも、同じ坂道にあった木組みの家は、あの当時のまま。
こちらが13世紀に建てられた家。
あの時、その数カ月後に、母の事で大変な事になるなんて思いもしませんでした。
案内してくださった方の説明で、千早城の話を思い出したからなのでしょうか?
それとも、その攻防戦の話をしてくれたのが、母だったからなのでしょうか?
あの日、夕日に照らされたお城を見ているうちに、何故か母の事を思い出して切ない気持になり「今頃、何してるのかしら?」と、遠い日本にいる母の事を思ったシャトーダン。
今回は、そんな思い出の場所で、あの時はなかった筈のこんな可愛い郵便箱のある家や、
by kanafr
| 2016-04-07 10:31
| 旅に出る
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Comments(14)
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nature21-plus at 2016-04-08 21:54
美しいホール?のさらに美しい天井に感動です。。
もう一度、石積みの小屋を造りたくなりました。。笑
もう一度、石積みの小屋を造りたくなりました。。笑
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40ansparis at 2016-04-08 22:23
私も記事を読ませて頂き、なんだか懐かしさが込み上げてきました。
ロワール河沿いの古城巡り、初めてパリに来た時に行ったきり、ずっと行っていません。
フランスに来てパリに住んでいて、いつでも以前より簡単に行ける、、筈なのに、結局一回も行っていないんです。
でも、時を置いて、またいつか訪れるのも良いものなのですよね。
この雄大な時間の流れを目にすると、自分の存在のちっぽけさを感じますね。
ロワール河沿いの古城巡り、初めてパリに来た時に行ったきり、ずっと行っていません。
フランスに来てパリに住んでいて、いつでも以前より簡単に行ける、、筈なのに、結局一回も行っていないんです。
でも、時を置いて、またいつか訪れるのも良いものなのですよね。
この雄大な時間の流れを目にすると、自分の存在のちっぽけさを感じますね。
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sogno_sonyo at 2016-04-08 22:25
風見鶏や外灯の写真いいですね!
こういう写真だけ撮る旅もしてみたい・・。
かつて訪れた場所を 頼りがいのある息子さんと
再び行けるなんて ますます思い出深い場所になりますね。
フィレンツェの旅も楽しく拝見しましたが
こちらもしっとり心に沁みるようで
一緒に楽しませていただきました。
こういう写真だけ撮る旅もしてみたい・・。
かつて訪れた場所を 頼りがいのある息子さんと
再び行けるなんて ますます思い出深い場所になりますね。
フィレンツェの旅も楽しく拝見しましたが
こちらもしっとり心に沁みるようで
一緒に楽しませていただきました。
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kimanba at 2016-04-09 21:42
千早城の攻防戦の話を娘にするお母さまって、、
さすがkanafrさんのお母さまだと思いました。
あの時代に_面白い方だっただろうなと、魅力的な方だっただろうなと
kanafrさんは良きお母さまの子供だった事に感謝ですね♪
そして、現在は息子さんの頼もしき存在__
私、思うのですが
子供の成長の証・・これが金銭よりも何よりも嬉しい親の気持ちなのだと
今日の記事でkanafrさんは何よりの幸せな環境にいらっしゃるという事を再認識させていただきました。
そして、
あの時切ない気持ちでお母さまの事を気にかけ思い出されたkanafrさんが
この同じ城へ立派に成長なさった(どこに出しても晴れがましい)息子さんやご主人との再訪
お母さまも天からうれしく見ていらっしゃった事でしょう。ニコニコ
___母と子とに感謝できる立場にいられる事が子としても親としても何よりの幸せなのだと思います♪
さすがkanafrさんのお母さまだと思いました。
あの時代に_面白い方だっただろうなと、魅力的な方だっただろうなと
kanafrさんは良きお母さまの子供だった事に感謝ですね♪
そして、現在は息子さんの頼もしき存在__
私、思うのですが
子供の成長の証・・これが金銭よりも何よりも嬉しい親の気持ちなのだと
今日の記事でkanafrさんは何よりの幸せな環境にいらっしゃるという事を再認識させていただきました。
そして、
あの時切ない気持ちでお母さまの事を気にかけ思い出されたkanafrさんが
この同じ城へ立派に成長なさった(どこに出しても晴れがましい)息子さんやご主人との再訪
お母さまも天からうれしく見ていらっしゃった事でしょう。ニコニコ
___母と子とに感謝できる立場にいられる事が子としても親としても何よりの幸せなのだと思います♪
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kanafr at 2016-04-09 23:55
nature21-plusさん 今日は
この円筒形の食糧庫は、あの時代に初めてできた円筒形の建物なんだそうですが、ここの屋根の木組みも凄くって写真を、じいが絵の飾ってある部屋の天井に感動してくださったので、撮った筈だと思い探したんですが、真っ暗であまりよく分からない写真になっていました(涙)すみません。
じいなら石積みの小屋の中にこんな風な木組みの天井の部屋造る事が、絶対、絶対できると思います。
楽しみにしてますよぉ。
この円筒形の食糧庫は、あの時代に初めてできた円筒形の建物なんだそうですが、ここの屋根の木組みも凄くって写真を、じいが絵の飾ってある部屋の天井に感動してくださったので、撮った筈だと思い探したんですが、真っ暗であまりよく分からない写真になっていました(涙)すみません。
じいなら石積みの小屋の中にこんな風な木組みの天井の部屋造る事が、絶対、絶対できると思います。
楽しみにしてますよぉ。
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kanafr at 2016-04-10 01:00
ラパンさん 今日は
ロワールの古城めぐり、私もだいぶ昔に、行ったきりです。
又行ってみたいなあと思いますが、ここは、そのロワールのお城より街全体が観光地化していないので、余計強烈な印象がありました。
一度行った場所に行くっていうのは、昔を思い出しながらその思い出だけに浸るだけの旅ではなかったので楽しめました。
前に住んでいた場所とかも行ってみたいなあと最近では思うんですよ。
ロワールの古城めぐり、私もだいぶ昔に、行ったきりです。
又行ってみたいなあと思いますが、ここは、そのロワールのお城より街全体が観光地化していないので、余計強烈な印象がありました。
一度行った場所に行くっていうのは、昔を思い出しながらその思い出だけに浸るだけの旅ではなかったので楽しめました。
前に住んでいた場所とかも行ってみたいなあと最近では思うんですよ。
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kanafr at 2016-04-10 01:01
そにょさん 今日は
こういう街灯とか風見鶏ってあまり日本では見ないって思いません?
何だかちょっと心魅かれてしまいますよねぇ。
昔、かなり印象が強かった街だったので、ずっと行きたい場所でした。
前と違った所も見れましたし、なんせ我が家のガイドが色々と解説してくれたので、より楽しめました。
そにょさんも楽しんでくださったとおっしゃってくださったので嬉しかったです。
こういう街灯とか風見鶏ってあまり日本では見ないって思いません?
何だかちょっと心魅かれてしまいますよねぇ。
昔、かなり印象が強かった街だったので、ずっと行きたい場所でした。
前と違った所も見れましたし、なんせ我が家のガイドが色々と解説してくれたので、より楽しめました。
そにょさんも楽しんでくださったとおっしゃってくださったので嬉しかったです。
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kanafr at 2016-04-10 01:38
kimanbaさん 今日は
母の年齢位の人って、毛利元就の3本の矢とか、こういう楠木正成の話とかを、子供に何かの折に何度もするっていう人、多くなかったですか?
私なんか、かなりの親不幸者だったので「又、同じ話してるぅ~」って思いながら聞いていましたので記憶に残っていたのかもしれません。
でも、そんな時与えられた知識の点が、こんな風に記憶の中から蘇って来るんだなあと思いました。そういう意味では、例え耳にタコの話でも感謝しなきゃですね。
今でもあの時の夕日の情景と自分の気持ち、しっかり記憶にあるんですよ。
母を連れて来てあげたかったなあって思いますが、きっとkimanbaさんのおっしゃるように、天から見ながら「ホ~ラ、私の教えが役に立ったでしょう?」って言っているかもしれませんね(苦笑)
母の年齢位の人って、毛利元就の3本の矢とか、こういう楠木正成の話とかを、子供に何かの折に何度もするっていう人、多くなかったですか?
私なんか、かなりの親不幸者だったので「又、同じ話してるぅ~」って思いながら聞いていましたので記憶に残っていたのかもしれません。
でも、そんな時与えられた知識の点が、こんな風に記憶の中から蘇って来るんだなあと思いました。そういう意味では、例え耳にタコの話でも感謝しなきゃですね。
今でもあの時の夕日の情景と自分の気持ち、しっかり記憶にあるんですよ。
母を連れて来てあげたかったなあって思いますが、きっとkimanbaさんのおっしゃるように、天から見ながら「ホ~ラ、私の教えが役に立ったでしょう?」って言っているかもしれませんね(苦笑)
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kimanba at 2016-04-10 09:17
いや多くないです。しかも三本の矢の話までならまだしも
(私は数え歌で覚えたから知っていた名前の)楠木正成_
名前は聞いた事あっても何をした人かを言える人はほとんどいないと思います。
ましてや《千早城》なんて絶対マイナー分野。 試しに今、歴史好きな人間に入る夫にテスト
楠木正成の名前を出さずに《千早城》だけで試したら、名前は知っていても「何だったかな?」
楠木正成と言ってやっと太平記に結びついたようでしたよ。
だから、
こういう歴史を女親が息子ではなく娘に語る..その図がとってもカッコイイ!♪と思いました。
(私は数え歌で覚えたから知っていた名前の)楠木正成_
名前は聞いた事あっても何をした人かを言える人はほとんどいないと思います。
ましてや《千早城》なんて絶対マイナー分野。 試しに今、歴史好きな人間に入る夫にテスト
楠木正成の名前を出さずに《千早城》だけで試したら、名前は知っていても「何だったかな?」
楠木正成と言ってやっと太平記に結びついたようでしたよ。
だから、
こういう歴史を女親が息子ではなく娘に語る..その図がとってもカッコイイ!♪と思いました。
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uransuzu at 2016-04-10 16:27
時間が経過してからこそ、見えてくるもの、わかってくること、ってこの年齢になるとよくありますね。
昔に読んだ本、映画などももう一度見直すと、以前には見えてなかったことが見えてきたり、、、
No.2くんの確かな成長、お母さまの何気ない教え、場所だけでなく、時間の旅でもあったのですね。
素敵だな、こんな旅行。
昔に読んだ本、映画などももう一度見直すと、以前には見えてなかったことが見えてきたり、、、
No.2くんの確かな成長、お母さまの何気ない教え、場所だけでなく、時間の旅でもあったのですね。
素敵だな、こんな旅行。
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whitelacenonyo at 2016-04-10 21:37
かつて行った場所へもう一度行ってみる、、、」私、そういう旅が一番好きです。
自分自身も月日を経て変わっていますが、かつての場所も変化していることを探すのも好きですが、あら?あまり変わっていないのね、、と安心することも好きです。
ロワール川の古城巡り、行きました。中でもシュノンソーが好きでした。
お母様のことを思い出して、、、成長したNo2くんの姿、お母様は天国から喜んでいることでしょう。
kanaさん。ミラノの前に充実の旅をなさっていたのですね〜
自分自身も月日を経て変わっていますが、かつての場所も変化していることを探すのも好きですが、あら?あまり変わっていないのね、、と安心することも好きです。
ロワール川の古城巡り、行きました。中でもシュノンソーが好きでした。
お母様のことを思い出して、、、成長したNo2くんの姿、お母様は天国から喜んでいることでしょう。
kanaさん。ミラノの前に充実の旅をなさっていたのですね〜
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kanafr at 2016-04-11 05:05
kimanbaさん 今晩は
アラ、そうなんですか?
我が家は母子家庭だったので、母は、きっといつまでもボーッとしている私に何とか自分なりの教育をしなきゃって思ったのかもしれませんね。
私の母は以前記事にしましたように、文学書は読まず、私にも文学書より哲学書を読みなさい!という人だったんですが、唯一文学書に近いのは歴史書だったみたいです。
結構、娘としては大変な親でもありました(苦笑)
アラ、そうなんですか?
我が家は母子家庭だったので、母は、きっといつまでもボーッとしている私に何とか自分なりの教育をしなきゃって思ったのかもしれませんね。
私の母は以前記事にしましたように、文学書は読まず、私にも文学書より哲学書を読みなさい!という人だったんですが、唯一文学書に近いのは歴史書だったみたいです。
結構、娘としては大変な親でもありました(苦笑)
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kanafr at 2016-04-11 05:11
uransuzuさん 今晩は
本当に若い頃には分からず、記憶の底に眠っていた物が、この年になると、あれはそういう事だったのか!って結びつく事ありますよね。
おっしゃる通り、昔読んだ本も映画も、見えていなかった事が見えてきたりしますものね。
フランスの歴史でも、それこそ中世なんか全くチンプンカンプンなので、そういう時代の一般市民の生活はどうだったとかの話もしてくれるので、我が家の無料ガイドは便利です(笑)
本当に若い頃には分からず、記憶の底に眠っていた物が、この年になると、あれはそういう事だったのか!って結びつく事ありますよね。
おっしゃる通り、昔読んだ本も映画も、見えていなかった事が見えてきたりしますものね。
フランスの歴史でも、それこそ中世なんか全くチンプンカンプンなので、そういう時代の一般市民の生活はどうだったとかの話もしてくれるので、我が家の無料ガイドは便利です(笑)
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kanafr at 2016-04-11 05:25
whitelacenonyoさん 今晩は
この場所は、最初に見た下水道の溝の作りが、あまりにも凄くて何年経っても行きたい場所だったんです。
ただそれだけだった筈なのに、色んな事が思い出されて何だか不思議な気持ちにもなりました。
シュノンソーも綺麗ですよね。
この日は、このシャトーダンだけだったんですが、シュノンソーはじめ、又、ロワールの古城巡りしたくなりました。
この場所は、最初に見た下水道の溝の作りが、あまりにも凄くて何年経っても行きたい場所だったんです。
ただそれだけだった筈なのに、色んな事が思い出されて何だか不思議な気持ちにもなりました。
シュノンソーも綺麗ですよね。
この日は、このシャトーダンだけだったんですが、シュノンソーはじめ、又、ロワールの古城巡りしたくなりました。