2016年 08月 16日
ちょっと、元気をいただきました!
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「なんだか、今までのパリの夏と違って静かな夏ねえ...」
そんなことを言ったのは、2年前に本帰国してから、久しぶりにパリに来た友人。
確かに、例年の夏と違って、観光客が激減しているとかで、と~っても静かなパリ。
観光客の多い通りのカフェでも、待つことなくゆったり座れるのも、例年にはない事かも...。
そんな中「お土産を買いたい」というので、友人と一緒に行ったギャラリー・ラファイエット。
例年、ノエルの時期になると、ドームに向かって大きなツリーが飾られるので有名ですが、
そんなイベントが終わった後は、ドームの真下に化粧品の新製品などのプロモーション用の
ブースが設置されるだけで、ツリーのようなそびえたつデコレーションは一切ない...というのが、例年のラファイエットでした。
でも、今年の夏は、ちょっと違う。
ドームに向かって、なんと金の卵を左右に従えたエッフェル塔が、そびえたっておりました。
さらに、上の階では、観光地にあるような顔部分が開けられたボードがあり、なんと背景は、精肉売り場。
この日は、そのボードにあるプロポーズする50年代ファッションカップルになり切った隣国の方達が、写真撮影にいそしんでおりましたわ。
写真撮影は、友人も私も興味はありませんでしたが、ふと見たら、お茶目なボードの床には、トイレットペーパーの文字が...。
一体これは何?...と思ったら、聞くべきですよね。
そこで、近くにいらした館内のご案内嬢に、伺ってみました。
すると、床に描かれたトイレットペーパーというのは、2010年コンテンポラリーアーティストのマウリツィオ・カテランと写真家ピエールパウロ・フェラーリによって創刊されたアートマガジンの名前なんだそう。
彼らの出会いは、2009年Wマガジンで、当時トップモデルだったリンダ・エヴァンジェリスタのイメージをより際立たせるような背景を担当した事が、始まりだったらしい。
コンテンポラリー芸術と写真を融合させた彼らの作品は、NYでも自由のオブジェと絶賛され、さらに彼らのクリエイティブな活動は、オブジェだけでなく多様化し、今や世界中で注目されているんだとか...。
ちょうど彼らのアイディアがたくさん詰まった展示会が、同じ館内で開催中というので、時間
タップリな私達、早速行ってみました。
一面のトマトパスタの壁には、絵皿と、それを見守るようなサボテンに、ちょっとギョッ!
いかにも懐かしのアメリカの映画に出てきそうな色合いや家具調度品だったので、アメリカ人アーティストかしら?と思ったら、名前からも分かるようにイタリア人のアーティストらしい。
キッチンだけでなく書斎も、
バスルームも
ベッドルームも
さらにガーデンプレイスも、生活感はありながら、どこか現実的なものとは違う夢の中にいる
ような世界を創り上げていました。
食材や動物などの身近で、現実的なものを駆使した独特の世界観です。
サロンも、デコラ板で作られたバーカウンターやTV一つとっても、かなりレトロな雰囲気。
でも、特別な物は何もなくて、生活感あふれた雰囲気なのに、なんだか心がざわつく感じが
するのはなぜなんでしょう。
きっと遠目には、カラフルな綺麗なリボンに見えた壁紙もテーブルも、私の苦手なスネークをモチーフにしていたからかもしれません。
まさに、彼らの作品は、人間の内面性を追求したかのような世界感があり、リアルな世界の中に潜む排他的なものを融合させたかのような感じ..とでも言ったらいいのかしら。
こんな機会でもなければ、全く知らなかった彼らの作品。
あの金色のエッフェル塔も、彼らの作品だと教えていただきました。
色々あったフランスだからこそ、このエッフェル塔が、胸にしみました。
「エッフェル塔を見ると、パリは大丈夫!っていう気になるわ」と言っていた友人。
スネークのモチーフは苦手でしたが、ユーモアもあって楽しさや笑いも起こる、そんな元気を
もらったエキスポジションでした。
9月10日まで、開催中です。
そんなことを言ったのは、2年前に本帰国してから、久しぶりにパリに来た友人。
確かに、例年の夏と違って、観光客が激減しているとかで、と~っても静かなパリ。
観光客の多い通りのカフェでも、待つことなくゆったり座れるのも、例年にはない事かも...。
そんな中「お土産を買いたい」というので、友人と一緒に行ったギャラリー・ラファイエット。
例年、ノエルの時期になると、ドームに向かって大きなツリーが飾られるので有名ですが、
そんなイベントが終わった後は、ドームの真下に化粧品の新製品などのプロモーション用の
ブースが設置されるだけで、ツリーのようなそびえたつデコレーションは一切ない...というのが、例年のラファイエットでした。
でも、今年の夏は、ちょっと違う。
ドームに向かって、なんと金の卵を左右に従えたエッフェル塔が、そびえたっておりました。
この日は、そのボードにあるプロポーズする50年代ファッションカップルになり切った隣国の方達が、写真撮影にいそしんでおりましたわ。
写真撮影は、友人も私も興味はありませんでしたが、ふと見たら、お茶目なボードの床には、トイレットペーパーの文字が...。
そこで、近くにいらした館内のご案内嬢に、伺ってみました。
すると、床に描かれたトイレットペーパーというのは、2010年コンテンポラリーアーティストのマウリツィオ・カテランと写真家ピエールパウロ・フェラーリによって創刊されたアートマガジンの名前なんだそう。
彼らの出会いは、2009年Wマガジンで、当時トップモデルだったリンダ・エヴァンジェリスタのイメージをより際立たせるような背景を担当した事が、始まりだったらしい。
コンテンポラリー芸術と写真を融合させた彼らの作品は、NYでも自由のオブジェと絶賛され、さらに彼らのクリエイティブな活動は、オブジェだけでなく多様化し、今や世界中で注目されているんだとか...。
ちょうど彼らのアイディアがたくさん詰まった展示会が、同じ館内で開催中というので、時間
タップリな私達、早速行ってみました。
ような世界を創り上げていました。
食材や動物などの身近で、現実的なものを駆使した独特の世界観です。
でも、特別な物は何もなくて、生活感あふれた雰囲気なのに、なんだか心がざわつく感じが
するのはなぜなんでしょう。
きっと遠目には、カラフルな綺麗なリボンに見えた壁紙もテーブルも、私の苦手なスネークをモチーフにしていたからかもしれません。
こんな機会でもなければ、全く知らなかった彼らの作品。
あの金色のエッフェル塔も、彼らの作品だと教えていただきました。
色々あったフランスだからこそ、このエッフェル塔が、胸にしみました。
「エッフェル塔を見ると、パリは大丈夫!っていう気になるわ」と言っていた友人。
スネークのモチーフは苦手でしたが、ユーモアもあって楽しさや笑いも起こる、そんな元気を
もらったエキスポジションでした。
9月10日まで、開催中です。
by kanafr
| 2016-08-16 10:24
| 本、映画、エキスポジション
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Comments(6)
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by
shinn-lily at 2016-08-16 14:44
早速ネットで他の作品を探してみました。
日頃の硬い頭をコンコンとノックされたような気分!
もっと力を抜いていきていかなければ~ってね。
日頃の硬い頭をコンコンとノックされたような気分!
もっと力を抜いていきていかなければ~ってね。
0
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すっとこ
at 2016-08-16 22:19
x
うおおおおおおおおおおおおおおおおおお!
芸術というものが 私達の心の柔らかい部分
を そっと揺さぶったり 時には頑な先入観に
激しいショックを与えたりする事が目的なら
その結果
心のどこかに美しいヒビが入って
そこから見た事もない光が差し込むものなら
このアートは
目的を達したかも。
色彩の氾濫といい リボンに見紛う蛇といい
充分に非日常のショックを与えて頂きました!
キラキラ眩い光を 有難うです❣️
芸術というものが 私達の心の柔らかい部分
を そっと揺さぶったり 時には頑な先入観に
激しいショックを与えたりする事が目的なら
その結果
心のどこかに美しいヒビが入って
そこから見た事もない光が差し込むものなら
このアートは
目的を達したかも。
色彩の氾濫といい リボンに見紛う蛇といい
充分に非日常のショックを与えて頂きました!
キラキラ眩い光を 有難うです❣️
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whitelacenonyo at 2016-08-16 23:16
カラフルな色彩といい、サボテン、などもオブジェといい
昔人間の私たち(どの人たち?)には思いもつかないあれこれ
柔軟なアイデアですかぁ〜
ご遠慮申し上げたインテリアですが
ギャラリーラファイエットで、Whiteさぁ〜〜んとお声をかけていただいたあの時を思い出したドームのエッフェル塔さんは素敵ですね〜〜。
昔人間の私たち(どの人たち?)には思いもつかないあれこれ
柔軟なアイデアですかぁ〜
ご遠慮申し上げたインテリアですが
ギャラリーラファイエットで、Whiteさぁ〜〜んとお声をかけていただいたあの時を思い出したドームのエッフェル塔さんは素敵ですね〜〜。
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kanafr at 2016-08-17 06:10
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kanafr at 2016-08-17 06:28
すっとこさん 今晩は
おおおおおおおおおおお!!!
やはりそのような感じを受けられましたか!
私も、多分、このアートは、社会的な規範をひっくり返した先に生まれる物を見つける為に創られたんじゃないかと思いました。
絵のように作品としてみるなら、いいんですが、こんなお部屋は、余程強い心がないと住めないですよねえ。
ただ、元気になるエネルギーは一杯ありましたよ。
おおおおおおおおおおお!!!
やはりそのような感じを受けられましたか!
私も、多分、このアートは、社会的な規範をひっくり返した先に生まれる物を見つける為に創られたんじゃないかと思いました。
絵のように作品としてみるなら、いいんですが、こんなお部屋は、余程強い心がないと住めないですよねえ。
ただ、元気になるエネルギーは一杯ありましたよ。
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kanafr at 2016-08-17 08:14
whitelacenonyoさん 今晩は
本当に私にとっても、まさかのパスタ、まさかのスネークでびっくりしました。
今のフランスは、ちょっと元気をなくしているので、見ているうちに笑いがこみ上げてくるような楽しさを与えてくれるものが必要なのかもしれません。
エッフェル塔は、やっぱりフランス人にとって、癒しでもあり勇気を与えてくれるものなんでしょうね。
本当に私にとっても、まさかのパスタ、まさかのスネークでびっくりしました。
今のフランスは、ちょっと元気をなくしているので、見ているうちに笑いがこみ上げてくるような楽しさを与えてくれるものが必要なのかもしれません。
エッフェル塔は、やっぱりフランス人にとって、癒しでもあり勇気を与えてくれるものなんでしょうね。