2014年 07月 24日
実はこの数年、PC接続の為のモデムに切り替えた途端、TVがまったく見られなくなっていた我が家。
色々交渉した結果、やっと新しいモデムに交換できたので、ようやく通常の番組始めケーブルTVも以前のように見られるようになりました。
と言っても、TVをノンビリ見るなんていう時間はありませんけど…。
というのも….
残業で遅くなって帰宅すると、時間も時間なので、夕食にあまり手をかけられない。
翌日持って行くお弁当(私の分だけですけど…)を作らなきゃいけない、アイロン掛けもしなきゃいけない、ストレッチもしなきゃいけない、お風呂も入らなきゃいけない...etcが待っている。
そんな“~しなきゃいけない”の行事が終わったら、オットの帰宅さえ待てずに、睡魔が襲ってくる毎日。
でも、先日は、いつもより早く仕事が終わって、電車もタイミングよく来たお蔭で、ここ最近に
ない早い帰宅となりました。
“今日は、久しぶりに、ちゃんとした夕飯を作ろうかなあ”って思ったのに、№2は毎日遅くなる私を待てず、自分で作って食べたらしい。
「疲れて帰って来る母親の為に作ってあげようという気には、ならなかったのか、君は!」と、いつもなら自分の事しか考えない№2に腹を立てるところですが、こう残業が続くと、そういう言葉を出す元気も無し。
とにかく、熱くなるエネルギーは、明日の仕事の為に温存しとかなきゃネ!
って事で、お茶漬けサラサラの超簡単夕食を済ませた後、諸々のやる事もやって、久しぶりにつけたTV。
いきなり画面に現れたのは、幼き少年を含むタリバンらしき兵士達によって、砂漠に引きずり出された3人のアメリカ兵の姿。
…という事は映画ですね、途中からみたいですけど….。
その兵士の一人が、あのスパイダーマンの主役を演じたトビ―・マグワイアでした。
(画像お借りしました)
引きずり出されたと思ったら、1人を殺し、残った2人に対しカメラを向けたタリバン兵士達は、反米宣言をするように言い渡すのですが、サム(トビ―・マグワイア)は応じません。
数日後、再び砂漠に引きずり出されると、彼の目の前には、すでに引きずり出され、殴られて蹲ったままの彼の部下がいました。
その部下の兵士の前で、タリバン兵士達は、サムに鉄パイプを渡すのです。
その鉄パイプの意味が分かったサムは、一度は、その鉄パイプを投げ捨てますが、銃を突きつけられ「お前が死ぬか、お前があいつを殺すか2つに一つだ」と言われ、必死に命乞いを
する部下を滅多打ちにし、殺すのです。
きっとこの映画をご覧になった方もいらっしゃるでしょうね。
そう、“Brothers(日本題マイ・ブラザー)”です。
(画像お借りしました)
その後、アフガニスタンに侵攻してきたアメリカ軍救援部隊によって、たった一人の生き残った兵士として救出されたエリート軍人のサムは、手足の損傷もなく、祖国へ無事ご帰還。
一度は、誤報で亡くなったと家族に思われていたサムを迎える元軍人の父親、愛する妻と
可愛い娘達、そして、エリート軍人のサムと違って、かつては銀行強盗をして刑務所に入る
などで家族の鼻つまみ者だった弟も、今やすっかり家族の一員として信頼を得るようになっている….。
そんな家族の元に戻り、再び温かく平和な日々を取り戻すのでした、メデタシ、メデタシ!
…には、なりませんわ!
部下を殺す事で、生きる事ができた筈なのに、そこから彼の苦悩が始まります。
やらなけりゃ、やられてしまう。だから、あの時やった事は、仕方がなかったんだ…。
あれは殺人ではない、戦争という特殊な状況だったんだ…。
エリート軍人の教育を受けたサムも、きっとそう思いこもうとしたと思います。
でも、彼は軍人である前に、人だったのでしょう。
生きる為に、鉄パイプで部下を殺したという行為は、彼から生きる喜びも、穏やかな心さえも奪っていき、妻と弟の関係を疑い、あれほど夢見ていた家族との暮らしも壊れていくのです。
(画像お借りしました)
まだ、ご覧になっていらっしゃらない方の為に、これ以上は書きませんが、サムを演じたトビ―マグワイアの演技力もあって、戦争がもたらす悲劇は、負けた方だけでなく勝った方にもあり戦争による取り返しのつかない破壊は、命の破壊と心の破壊であると訴える素晴らしい映画でした。
疲れた状態で見るには、あまりにも重い映画でしたが、目を離す事ができませんでした。
過日、ブックオフで2巻~5巻までの五味川純平作の“人間の条件”を、偶然見つけた時“例え中途半端に2巻~5巻しかなくても、読まなきゃいけない”と思ったように“観なきゃいけない”と思ったのです。
なぜなら、この前の7月14日のパレードをTVで見てから、ずっと心に重いものがありました
から..。
今年の7月14日のパレードは、第一次世界大戦100周年と、ノルマンディ上陸作戦70周年記念も兼ねた祝典だったそうで、80カ国が参加した長い軍事パレードになりました。
実は、今まで、7月14日のこのお祭りに航空隊が作る3色国旗のカラ―雲を、単純に綺麗と思い、色々な制服の軍隊の行進が続いても、嫌悪感など抱かず、むしろ“この国の安全は、
こういう人達によって守られているのね”としか思っていませんでした。
でも、今年は違いました。
フランスの共和国成立を祝うお祭りに、何でこんなに多くの軍隊が登場するのでしょう。
その中に、集団自衛権を強引に進めようとしている国が、パレードに参加しているのを見た時「ついに軍隊だと、世界中に向かって宣言したんだ」と、憂鬱な気持ちになりました。
そして、毎年、パレードの最後には、大統領や政治家はじめ、この祝典に招待された各国の大統領やその関係者のVIP席の前で何らかのパフォーマンスがあります。
今年は、大勢の若者達がハトを片手に踊り、最後はそのハトを空に向かって解き放すという
ものでした。
(画像お借りしました)
平和の象徴とされる白いハトを使ったパフォーマンスを見て、ニコニコしながら拍手している
武器輸出入国の代表者達。
もはや平和への道は、武力によって生まれる、だから武器を生産する事は正しいと言って
いるかのように見えました。
確かに、武器を多く持てば、敵国を破壊し、勝つ事ができるんでしょう。
多くの命を殺せば、逆らう敵が減り、勝つ事ができるんでしょう。
人を殺す行為は、通常は、死刑に値する行為とされるのに、戦争という大義名分がつけば、立派な行為とされるのでしょう。
でも、戦争は、ゲームではないのです。
(画像お借りしました)
傷ついた身体や心は、簡単にリセットできないのです、この映画のサムのように。
世の中には、国の決定に従う事こそ、愛国心があると思っている人達がいて、国の決定に
逆らう人を、国民にあらずと決めつける人達がいます。
生まれ育った国を愛さない人など、いません。
その愛する国が間違った方向に向かっていると感じるからこそ、2度と悲劇を繰り返さないと、戦争の犠牲になった多くの人達に誓ったからこそ、妥協できない事は、ノンというのです。
戦争によって繰り返される悲劇に、決して“仕方がない”などと、慣れてはいけません。
戦争だから、国が決めたから…の理由で、納得してはいけません。
生きる喜びは、破壊によっては、生まれず、戦争による勝利は、もう、取り戻す事の出来ない多くの損失がある事を忘れてはいけません。
そんな事を、思った今年の7月14日だった事を、あらためて思い出させてくれたこの映画
“マイ・ブラザー”でした。
色々交渉した結果、やっと新しいモデムに交換できたので、ようやく通常の番組始めケーブルTVも以前のように見られるようになりました。
と言っても、TVをノンビリ見るなんていう時間はありませんけど…。
というのも….
残業で遅くなって帰宅すると、時間も時間なので、夕食にあまり手をかけられない。
翌日持って行くお弁当(私の分だけですけど…)を作らなきゃいけない、アイロン掛けもしなきゃいけない、ストレッチもしなきゃいけない、お風呂も入らなきゃいけない...etcが待っている。
そんな“~しなきゃいけない”の行事が終わったら、オットの帰宅さえ待てずに、睡魔が襲ってくる毎日。
でも、先日は、いつもより早く仕事が終わって、電車もタイミングよく来たお蔭で、ここ最近に
ない早い帰宅となりました。
“今日は、久しぶりに、ちゃんとした夕飯を作ろうかなあ”って思ったのに、№2は毎日遅くなる私を待てず、自分で作って食べたらしい。
「疲れて帰って来る母親の為に作ってあげようという気には、ならなかったのか、君は!」と、いつもなら自分の事しか考えない№2に腹を立てるところですが、こう残業が続くと、そういう言葉を出す元気も無し。
とにかく、熱くなるエネルギーは、明日の仕事の為に温存しとかなきゃネ!
って事で、お茶漬けサラサラの超簡単夕食を済ませた後、諸々のやる事もやって、久しぶりにつけたTV。
いきなり画面に現れたのは、幼き少年を含むタリバンらしき兵士達によって、砂漠に引きずり出された3人のアメリカ兵の姿。
…という事は映画ですね、途中からみたいですけど….。
その兵士の一人が、あのスパイダーマンの主役を演じたトビ―・マグワイアでした。
(画像お借りしました)
引きずり出されたと思ったら、1人を殺し、残った2人に対しカメラを向けたタリバン兵士達は、反米宣言をするように言い渡すのですが、サム(トビ―・マグワイア)は応じません。
数日後、再び砂漠に引きずり出されると、彼の目の前には、すでに引きずり出され、殴られて蹲ったままの彼の部下がいました。
その部下の兵士の前で、タリバン兵士達は、サムに鉄パイプを渡すのです。
その鉄パイプの意味が分かったサムは、一度は、その鉄パイプを投げ捨てますが、銃を突きつけられ「お前が死ぬか、お前があいつを殺すか2つに一つだ」と言われ、必死に命乞いを
する部下を滅多打ちにし、殺すのです。
きっとこの映画をご覧になった方もいらっしゃるでしょうね。
そう、“Brothers(日本題マイ・ブラザー)”です。
(画像お借りしました)
その後、アフガニスタンに侵攻してきたアメリカ軍救援部隊によって、たった一人の生き残った兵士として救出されたエリート軍人のサムは、手足の損傷もなく、祖国へ無事ご帰還。
一度は、誤報で亡くなったと家族に思われていたサムを迎える元軍人の父親、愛する妻と
可愛い娘達、そして、エリート軍人のサムと違って、かつては銀行強盗をして刑務所に入る
などで家族の鼻つまみ者だった弟も、今やすっかり家族の一員として信頼を得るようになっている….。
そんな家族の元に戻り、再び温かく平和な日々を取り戻すのでした、メデタシ、メデタシ!
…には、なりませんわ!
部下を殺す事で、生きる事ができた筈なのに、そこから彼の苦悩が始まります。
やらなけりゃ、やられてしまう。だから、あの時やった事は、仕方がなかったんだ…。
あれは殺人ではない、戦争という特殊な状況だったんだ…。
エリート軍人の教育を受けたサムも、きっとそう思いこもうとしたと思います。
でも、彼は軍人である前に、人だったのでしょう。
生きる為に、鉄パイプで部下を殺したという行為は、彼から生きる喜びも、穏やかな心さえも奪っていき、妻と弟の関係を疑い、あれほど夢見ていた家族との暮らしも壊れていくのです。
(画像お借りしました)
まだ、ご覧になっていらっしゃらない方の為に、これ以上は書きませんが、サムを演じたトビ―マグワイアの演技力もあって、戦争がもたらす悲劇は、負けた方だけでなく勝った方にもあり戦争による取り返しのつかない破壊は、命の破壊と心の破壊であると訴える素晴らしい映画でした。
疲れた状態で見るには、あまりにも重い映画でしたが、目を離す事ができませんでした。
過日、ブックオフで2巻~5巻までの五味川純平作の“人間の条件”を、偶然見つけた時“例え中途半端に2巻~5巻しかなくても、読まなきゃいけない”と思ったように“観なきゃいけない”と思ったのです。
なぜなら、この前の7月14日のパレードをTVで見てから、ずっと心に重いものがありました
から..。
今年の7月14日のパレードは、第一次世界大戦100周年と、ノルマンディ上陸作戦70周年記念も兼ねた祝典だったそうで、80カ国が参加した長い軍事パレードになりました。
実は、今まで、7月14日のこのお祭りに航空隊が作る3色国旗のカラ―雲を、単純に綺麗と思い、色々な制服の軍隊の行進が続いても、嫌悪感など抱かず、むしろ“この国の安全は、
こういう人達によって守られているのね”としか思っていませんでした。
でも、今年は違いました。
フランスの共和国成立を祝うお祭りに、何でこんなに多くの軍隊が登場するのでしょう。
その中に、集団自衛権を強引に進めようとしている国が、パレードに参加しているのを見た時「ついに軍隊だと、世界中に向かって宣言したんだ」と、憂鬱な気持ちになりました。
そして、毎年、パレードの最後には、大統領や政治家はじめ、この祝典に招待された各国の大統領やその関係者のVIP席の前で何らかのパフォーマンスがあります。
今年は、大勢の若者達がハトを片手に踊り、最後はそのハトを空に向かって解き放すという
ものでした。
(画像お借りしました)
平和の象徴とされる白いハトを使ったパフォーマンスを見て、ニコニコしながら拍手している
武器輸出入国の代表者達。
もはや平和への道は、武力によって生まれる、だから武器を生産する事は正しいと言って
いるかのように見えました。
確かに、武器を多く持てば、敵国を破壊し、勝つ事ができるんでしょう。
多くの命を殺せば、逆らう敵が減り、勝つ事ができるんでしょう。
人を殺す行為は、通常は、死刑に値する行為とされるのに、戦争という大義名分がつけば、立派な行為とされるのでしょう。
でも、戦争は、ゲームではないのです。
(画像お借りしました)
傷ついた身体や心は、簡単にリセットできないのです、この映画のサムのように。
世の中には、国の決定に従う事こそ、愛国心があると思っている人達がいて、国の決定に
逆らう人を、国民にあらずと決めつける人達がいます。
生まれ育った国を愛さない人など、いません。
その愛する国が間違った方向に向かっていると感じるからこそ、2度と悲劇を繰り返さないと、戦争の犠牲になった多くの人達に誓ったからこそ、妥協できない事は、ノンというのです。
戦争によって繰り返される悲劇に、決して“仕方がない”などと、慣れてはいけません。
戦争だから、国が決めたから…の理由で、納得してはいけません。
生きる喜びは、破壊によっては、生まれず、戦争による勝利は、もう、取り戻す事の出来ない多くの損失がある事を忘れてはいけません。
そんな事を、思った今年の7月14日だった事を、あらためて思い出させてくれたこの映画
“マイ・ブラザー”でした。
#
by kanafr
| 2014-07-24 10:51
| 本、映画
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