2017年 03月 07日
幼い頃に感じた、ときめきを忘れずに...
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蚤の市などで、何気なく手に取った品物を「これは、Belle Époque(ベルエポック)の時代の物ですよ」と、お店の方からご説明いただく事があります。
Belle Époqueとは、19世紀末~1914年の第一次世界大戦の勃発前迄のフランスの
Belle Époqueとは、19世紀末~1914年の第一次世界大戦の勃発前迄のフランスの
古き良き時代をさしてつかわれる言葉だそうで、サンジェルマン・デ・プレにある
ボン・マルシェデパートができたのも、このBelle Époqueの時代。
そんなBelle Époqueの時代に生まれた素敵なフォトグラファーの存在を知ったのは、先日行ったAVEDON の写真展でした。
そんなBelle Époqueの1894年に生まれたのが、こちらの素敵なムッシュJacques
そんなBelle Époqueの時代に生まれた素敵なフォトグラファーの存在を知ったのは、先日行ったAVEDON の写真展でした。
そんなBelle Époqueの1894年に生まれたのが、こちらの素敵なムッシュJacques
Henri Lartigue(ジャック・アンリ・ラーティーグ)
どことなく品のある方だって思いません?
AVEDONの実写映像の中で、古い映像写真と共に、やたら出てくるこの方のお名前。
“一体、誰なんだろう?”と気になるまま、写真展を出た後立ち寄った館内のブック
コーナーで、偶然、この方の本を見つけました。
この家族写真から分かるように、Lartigue家は、当時フランスで8番目に入る大富豪だったようです。
父親から与えらえたカメラで写真を撮ることに目覚め、その後も家族の写真を撮り続けたという彼の写真は、まさにBelle Époqueの世界、プルーストの世界です。
でも、驚くべき事に、幼い時からマイカメラで、こんなに数多くの写真を撮っていたにも拘らず生活に余裕があったせいなのか、フォトグラファーとしてデビューする事もなく、ただ趣味として撮り続けていたらしい。
奥様と一緒にフランスからNY迄、船で旅行した際、たまたま知人に「NYに行ったら訪ねなさい」と言われていたので、売り込む意思などなく、その紹介されたフランスの写真エージェンシーのところへ、ただ単なる挨拶のつもりで行ったところ、その時話の流れで「今回の旅行で、いくつか撮った写真がありまして...」と見せると、最初、相手の方も“素人写真だろう”と儀礼的に見るつもりだったのに、そのあまりの写真の素晴らしさに驚き、それがきっかけになって、写真家としてデビューする事になったんだとか...。
それが、なんと69歳の時だったというから、遅咲きにしても凄すぎる...。
そして、翌年には、NYの近代美術館で写真展が開かれるなどの活躍が始まり、まさにBelle Époqueの時代そのもの写真は、多くの人々を魅了したそうです。
AVEDONとの関わりは、その3年後、AVEDONのアシスタントだった日本人のHIROの勧めで再びNYを訪れ、AVEDONに会い、未発表だった1930年代の写真を見せるとその写真に魅せられたAVEDONの力強い後押しもあって写真集が出版される事になりそこから、フランス人フォトグラファーJacques Henri Lartigueの名前は、世界的に有名になったんだそうです。
奥様と一緒にフランスからNY迄、船で旅行した際、たまたま知人に「NYに行ったら訪ねなさい」と言われていたので、売り込む意思などなく、その紹介されたフランスの写真エージェンシーのところへ、ただ単なる挨拶のつもりで行ったところ、その時話の流れで「今回の旅行で、いくつか撮った写真がありまして...」と見せると、最初、相手の方も“素人写真だろう”と儀礼的に見るつもりだったのに、そのあまりの写真の素晴らしさに驚き、それがきっかけになって、写真家としてデビューする事になったんだとか...。
それが、なんと69歳の時だったというから、遅咲きにしても凄すぎる...。
そして、翌年には、NYの近代美術館で写真展が開かれるなどの活躍が始まり、まさにBelle Époqueの時代そのもの写真は、多くの人々を魅了したそうです。
AVEDONとの関わりは、その3年後、AVEDONのアシスタントだった日本人のHIROの勧めで再びNYを訪れ、AVEDONに会い、未発表だった1930年代の写真を見せるとその写真に魅せられたAVEDONの力強い後押しもあって写真集が出版される事になりそこから、フランス人フォトグラファーJacques Henri Lartigueの名前は、世界的に有名になったんだそうです。
それにしても、ここで日本人の名前が出てきたのに驚きました。
そのアシスタントのHIROはこの方...(Jacques Henri Lartigue撮影)
そのアシスタントのHIROはこの方...(Jacques Henri Lartigue撮影)
Jacques Henri Lartigueの写真で一番知られたと言えば、この1912年のフランス
自動車レースグランプリの写真だそうですが、ピカソとも親交があったという事で、彼のポートレートも数多く撮っています。
その後フランスでも認められ 、80歳の時には、撮り続けていた写真、ネガ、そして写真撮影の際書き留めていた日記などもBelle Époqueの貴重な歴史を物語るものと
して、フランスの国有財産として認められたそうです。
92歳で亡くなりましたが、低めの椅子に、何十冊も重ねされた幼い頃から撮り続けていた彼の家族達の写真のファイルの上に座ってポーズをとる彼の笑顔の素敵な事!
きっと、6歳で撮った写真の感動をずっと持ち続けていた方なんでしょうね。
92歳で亡くなりましたが、低めの椅子に、何十冊も重ねされた幼い頃から撮り続けていた彼の家族達の写真のファイルの上に座ってポーズをとる彼の笑顔の素敵な事!
きっと、6歳で撮った写真の感動をずっと持ち続けていた方なんでしょうね。
「もう、年だから...」を言い訳にせずに、もし彼のような特別な才能やチャンスがなかったとしても、子供の時代に感じた“今まで知らなかった事を知る喜び”などのときめきを、いつまでも忘れずに、持ち続けたい...。
そう、思わせてくれたJacques Henri Lartigueでした。
そう、思わせてくれたJacques Henri Lartigueでした。
by kanafr
| 2017-03-07 01:10
| 本、雑誌
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Comments(8)
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すっとこ
at 2017-03-07 06:47
x
まあああああああああああああああああっ!
ジャック アンリ ラルティーグ!
もちろん・・・・・・・・
存知あげませんでしたが
なんて素敵なお爺ちゃまでしょう。
69歳で公式デビュー。
でも実際は 6歳にしてすでにデビューなさって
たのですね。
ジャックにしてみれば 周りの日常風景。
でも
其れが ベル エポックの あるクラスの
特別なポートレートですね。
だって
被写体の方々のお衣装からして階級を
感じますもの。
彼の写真集発刊に関して 日本人HIROさん
という方が関わっておられた事。
アヴェドンの助手的立場の方なら時代的に
そう大昔ではないですね。
HIROさんの生涯にも興味が湧いて来ました。
Kanaさんのアンテナにはいつも感激です❣️
新鮮な息吹きを感じます。
こういう知らなかったアーティスト、しかも
大好物の爺様の話でとっても嬉しくなりました。
ジャック アンリ ラルティーグ!
もちろん・・・・・・・・
存知あげませんでしたが
なんて素敵なお爺ちゃまでしょう。
69歳で公式デビュー。
でも実際は 6歳にしてすでにデビューなさって
たのですね。
ジャックにしてみれば 周りの日常風景。
でも
其れが ベル エポックの あるクラスの
特別なポートレートですね。
だって
被写体の方々のお衣装からして階級を
感じますもの。
彼の写真集発刊に関して 日本人HIROさん
という方が関わっておられた事。
アヴェドンの助手的立場の方なら時代的に
そう大昔ではないですね。
HIROさんの生涯にも興味が湧いて来ました。
Kanaさんのアンテナにはいつも感激です❣️
新鮮な息吹きを感じます。
こういう知らなかったアーティスト、しかも
大好物の爺様の話でとっても嬉しくなりました。
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nature21-plus at 2017-03-07 13:06
かなさん。。
>「もう、年だから...」を言い訳にせずに、
んとですよ!。。おいら、四捨五入すれば70がちかくなったのですが。。現在の心象を素直に振り返って、そういう状況ないですよ。。で、二十年前はどうだったかと考えてみたら、どこかにそういう思いに潰されたくないというような気負いみたいなものがあった気がします。。笑
毎日を前に…。。どうしたら、自分の望むスタイルを楽しんで暮らせるか。。これに夢中です。。笑
>「もう、年だから...」を言い訳にせずに、
んとですよ!。。おいら、四捨五入すれば70がちかくなったのですが。。現在の心象を素直に振り返って、そういう状況ないですよ。。で、二十年前はどうだったかと考えてみたら、どこかにそういう思いに潰されたくないというような気負いみたいなものがあった気がします。。笑
毎日を前に…。。どうしたら、自分の望むスタイルを楽しんで暮らせるか。。これに夢中です。。笑
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whitelacenonyo at 2017-03-07 22:52
ホント。笑顔が素敵でダンディーなおじいさまですね。
ピカソのこの写真はよく目にしますが彼が撮影したのですね。
育った家庭環境が将来の仕事に大きく影響する、、の典型ですね。
私もすっとこさんと同じでkanaさんから知らない世界のあれこれを知ることができ嬉しいですわぁ。
ピカソのこの写真はよく目にしますが彼が撮影したのですね。
育った家庭環境が将来の仕事に大きく影響する、、の典型ですね。
私もすっとこさんと同じでkanaさんから知らない世界のあれこれを知ることができ嬉しいですわぁ。
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すっとこ
at 2017-03-08 21:08
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kanafr at 2017-03-10 08:55
すっとこさん 今晩は
お返事遅れてごめんなさい。
ネッ!?品のある素敵な方でしょ?
もう6歳でデビューって、凄すぎますでしょ?彼のお兄様は、もう好奇心一杯の方で飛行機とか作っちゃったりしています。
そのお兄様の飛行機を飛ばす写真なんかも沢山撮っていますので、色んな影響を与えた方なんだなあとも思いますが、お兄様にしてもジャックにしても、好奇心をそのまま形にできるって事は、やはり大富豪だったんだなあって思います。
アヴェドンって結構日本人のアシスタントを使っていて本では、HIROさん以外に若林ヨシヒロさんて方も登場しているんですよ。
人に歴史ありって言いますが、なかなか面白いですよね。
ご興味持っていただいて、有難うございます。嬉しいです。
お返事遅れてごめんなさい。
ネッ!?品のある素敵な方でしょ?
もう6歳でデビューって、凄すぎますでしょ?彼のお兄様は、もう好奇心一杯の方で飛行機とか作っちゃったりしています。
そのお兄様の飛行機を飛ばす写真なんかも沢山撮っていますので、色んな影響を与えた方なんだなあとも思いますが、お兄様にしてもジャックにしても、好奇心をそのまま形にできるって事は、やはり大富豪だったんだなあって思います。
アヴェドンって結構日本人のアシスタントを使っていて本では、HIROさん以外に若林ヨシヒロさんて方も登場しているんですよ。
人に歴史ありって言いますが、なかなか面白いですよね。
ご興味持っていただいて、有難うございます。嬉しいです。
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kanafr at 2017-03-10 09:05
nature21-plusさん 今晩は
お返事遅れてすみません。
確かに、じいって、今やっていらっしゃることだけでなく、今までの事を振り返っても、困難な事があっても、それを楽しみに変えていますよねえ。
人生を、凄く楽しんでいらっしゃるなあって思います。
そんな風になれるように、私も、頑張りたい!
お返事遅れてすみません。
確かに、じいって、今やっていらっしゃることだけでなく、今までの事を振り返っても、困難な事があっても、それを楽しみに変えていますよねえ。
人生を、凄く楽しんでいらっしゃるなあって思います。
そんな風になれるように、私も、頑張りたい!
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kanafr at 2017-03-10 09:12
whitelacenonyoさん 今晩は
お返事遅れてごめんなさい。
フフフ、whiteさんもそう思われました?
本当に素敵な方ですよねぇ。
ピカソとは、かなり親しかったようで、リラックスした普段の顔のピカソを撮っているらしいです。
まったく売り込みとか何にも考えていずに趣味としてご家族、奥様と撮りまくっていたんですものね。
アヴェドンが出版の後押しをしなかったら、そんな事も考えていなかったんじゃないでしょうか。でもこのご家族の写真は、まさにフランスの歴史であり貴重な財産ですよね。
whiteさんにも喜んでいただけて嬉しいです。有難うございます。
お返事遅れてごめんなさい。
フフフ、whiteさんもそう思われました?
本当に素敵な方ですよねぇ。
ピカソとは、かなり親しかったようで、リラックスした普段の顔のピカソを撮っているらしいです。
まったく売り込みとか何にも考えていずに趣味としてご家族、奥様と撮りまくっていたんですものね。
アヴェドンが出版の後押しをしなかったら、そんな事も考えていなかったんじゃないでしょうか。でもこのご家族の写真は、まさにフランスの歴史であり貴重な財産ですよね。
whiteさんにも喜んでいただけて嬉しいです。有難うございます。
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kanafr at 2017-03-10 09:18
すっとこさん 2度目の今晩は
ご心配いただき、有難うございます。
寝たおかげで、熱は、だいぶ下がりましたが、何だか急に発熱したせいか、だるくて、まだボーっとしています。
日本にご帰国ですよね。
お義父様達のお見舞いや、お孫さん達とのお楽しみなどスケジュールも一杯でしょうが、どうぞお体にお気をつけて、ウルトラマンさんともども、日本の春を楽しんできてくださいませ。
ご心配いただき、有難うございます。
寝たおかげで、熱は、だいぶ下がりましたが、何だか急に発熱したせいか、だるくて、まだボーっとしています。
日本にご帰国ですよね。
お義父様達のお見舞いや、お孫さん達とのお楽しみなどスケジュールも一杯でしょうが、どうぞお体にお気をつけて、ウルトラマンさんともども、日本の春を楽しんできてくださいませ。