2017年 10月 06日
新しいパリには、赤本じゃなくて、青本
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初めてパリに来たのは、ちょうど今頃の季節でした。
だからでしょうか?
こんな風に、少し曇った朝、そして路上や車のボンネットに散っている葉を見ると、不安なのに無防備で、夢があるのに悲観的だったあの頃を、思い出します。
途中入社半年目で命ぜられた初出張でしたが、しかもそれがパリ...
義務教育の授業で多少耳慣れていた英語とは、全く違うフランス語の国。
それだけでも、緊張する要素100%なのに、さらに緊張を高めるもの...
ご一緒する方達が、社長夫人でもあった副社長と、私同様初めてのパリ出張の副社長の
実弟の専務でした。
宿泊したホテルは、ラスパイユ通りのプチホテルでした。
ドアを開けると、小さなロビーと受付、その横には美しい螺旋階段...。
前夜は、旅の疲れもあってほとんど記憶になく、翌朝、街行くパリジャン、パリジェンヌ達が
見えるテラスで、今後の打ち合わせをしながらいただくバターの香りたっぷりのフワッとした
クロワッサンとカフェ・オレ...それが「今、私はパリにいる」と実感させてくれました。
でも、観光が、目的で来たパリではありません。
翌日から、これから提携する会社との打ち合わせ、ファッションショー、商品リサーチと続く
予定でしたが、その翌日だけ、私だけ別のファッションショーに行き、市内リサーチをした後、サン ジェルマン・デ・プレのカフェで待ち合わせるという事に...。
着いて2日目で、右も左も分からないパリで、フランス語もできないのに、事前に先輩から行くように言われたリサーチリストを片手に、独り歩きしなきゃいけないパリ。
不安一杯の顔をしている私に、パリへは何度もいらしている副社長から「パリは、東京より、分かりやすい街なのよ。すぐ慣れるわよ。その為には、ミシュランの赤本を買いなさい」と
おっしゃいました。
すぐ慣れるって、おっしゃいますけど、初めてのパリの一人歩きなんですけどぉ
それに、ミシュランの赤い本!?
それって何ですか?
質問したい言葉は、心の中で浮かんでくるのに、ただ「ハイ」としか言えない私でした。
本というからには、本屋さんだと思っていたのに、なぜか連れていかれたのはキオスク。
そして、質問できずにいた例のミシュランの赤本は、こちらでした。
日本では見たことのない地図本でした。
パリでは、どんなに小さい通りにも、こんな風に通り名がついています。
その通り名さえわかれば、まずはアルファベットで検索。
すると、左端には、1区から20区までの区名(イエロー字)、通り名の横にはアルファベット
+数字(赤字)が並んでいます。
次に、区の索引ページを開けると
地図の縦横に、先ほどのページに書いてあったアルファベット+数字。
地図には、幾つかの枠に分けられているので、そのアルファベットと数字でつながる枠の中に探している通りがあるという、非常に便利な物でした。
勿論、この赤本には、地下鉄の路線図、バス路線、市役所や郵便局などの公共施設などが分かるページもついていました。
赤本を握りしめながら、独り歩きの心細さを、パリに来た感動に置き換えて歩いたあの時の
パリでした。
その4年後、パリに住むようになって、どこに行くにも手放せなくなる赤本になるとは、あの時思っても見ませんでした。
あの頃には、今の様に、スマホもグーグルマップのない時代でした。
どんどん開発され、古い味のある町名さえも、どんどん味気ない町名に変わって行く日本と
違って、歴史のある建物は壊さず、改装は内部だけだったり、通り名はそのままのパリ。
本当に役立つ赤本でした。
だいぶ表紙は、古びてきましたが、まだまだ使える筈の赤本でした。
でも、つい最近、この赤本を買い替えました。
今度は赤ではなくブルー、しかも買ったのはキオスクではなく本屋さんでした。
買い替えた理由は...
つい最近行ったマーク・ショー展が、その理由でした。
ポスターに書いてあった通りが、この古い赤本では見つかりませんでした。
グーグルマップで探して、それが新しい通り名だと分かり、パリも変わってきていると知って
驚きました。
勿論、スマホで検索すれば、新しい青本はいらないのかもしれません。
でも、全体を見たりするには、本の方が...私には便利。
新しい青本は、バスの路線図も見やすい。
しかも、自転車専用道路のマップもついています。
今度は、この青本が、パリ歩きの必需本になりました。
こんな風に、少し曇った朝、そして路上や車のボンネットに散っている葉を見ると、不安なのに無防備で、夢があるのに悲観的だったあの頃を、思い出します。
途中入社半年目で命ぜられた初出張でしたが、しかもそれがパリ...
義務教育の授業で多少耳慣れていた英語とは、全く違うフランス語の国。
それだけでも、緊張する要素100%なのに、さらに緊張を高めるもの...
ご一緒する方達が、社長夫人でもあった副社長と、私同様初めてのパリ出張の副社長の
実弟の専務でした。
宿泊したホテルは、ラスパイユ通りのプチホテルでした。
ドアを開けると、小さなロビーと受付、その横には美しい螺旋階段...。
前夜は、旅の疲れもあってほとんど記憶になく、翌朝、街行くパリジャン、パリジェンヌ達が
見えるテラスで、今後の打ち合わせをしながらいただくバターの香りたっぷりのフワッとした
クロワッサンとカフェ・オレ...それが「今、私はパリにいる」と実感させてくれました。
でも、観光が、目的で来たパリではありません。
翌日から、これから提携する会社との打ち合わせ、ファッションショー、商品リサーチと続く
予定でしたが、その翌日だけ、私だけ別のファッションショーに行き、市内リサーチをした後、サン ジェルマン・デ・プレのカフェで待ち合わせるという事に...。
着いて2日目で、右も左も分からないパリで、フランス語もできないのに、事前に先輩から行くように言われたリサーチリストを片手に、独り歩きしなきゃいけないパリ。
不安一杯の顔をしている私に、パリへは何度もいらしている副社長から「パリは、東京より、分かりやすい街なのよ。すぐ慣れるわよ。その為には、ミシュランの赤本を買いなさい」と
おっしゃいました。
すぐ慣れるって、おっしゃいますけど、初めてのパリの一人歩きなんですけどぉ
それに、ミシュランの赤い本!?
それって何ですか?
質問したい言葉は、心の中で浮かんでくるのに、ただ「ハイ」としか言えない私でした。
本というからには、本屋さんだと思っていたのに、なぜか連れていかれたのはキオスク。
パリでは、どんなに小さい通りにも、こんな風に通り名がついています。
+数字(赤字)が並んでいます。
次に、区の索引ページを開けると
地図の縦横に、先ほどのページに書いてあったアルファベット+数字。
勿論、この赤本には、地下鉄の路線図、バス路線、市役所や郵便局などの公共施設などが分かるページもついていました。
赤本を握りしめながら、独り歩きの心細さを、パリに来た感動に置き換えて歩いたあの時の
パリでした。
その4年後、パリに住むようになって、どこに行くにも手放せなくなる赤本になるとは、あの時思っても見ませんでした。
あの頃には、今の様に、スマホもグーグルマップのない時代でした。
どんどん開発され、古い味のある町名さえも、どんどん味気ない町名に変わって行く日本と
違って、歴史のある建物は壊さず、改装は内部だけだったり、通り名はそのままのパリ。
本当に役立つ赤本でした。
だいぶ表紙は、古びてきましたが、まだまだ使える筈の赤本でした。
でも、つい最近、この赤本を買い替えました。
今度は赤ではなくブルー、しかも買ったのはキオスクではなく本屋さんでした。
つい最近行ったマーク・ショー展が、その理由でした。
ポスターに書いてあった通りが、この古い赤本では見つかりませんでした。
グーグルマップで探して、それが新しい通り名だと分かり、パリも変わってきていると知って
驚きました。
勿論、スマホで検索すれば、新しい青本はいらないのかもしれません。
でも、全体を見たりするには、本の方が...私には便利。
新しい青本は、バスの路線図も見やすい。
by kanafr
| 2017-10-06 12:18
| パリの街、我が街
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Comments(6)
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whitelacenonyo at 2017-10-06 23:27
パリの住所表記は、本当にわかりやすいですね。
番地は
セーヌ川を基本?として右岸であれ左岸であれ
セーヌ川に近い方は偶数、その向かい側セーヌに遠い方?は奇数ですよね
それにどんなに短い通りでも大きい通りでも名前が付いている、、
それを知った数十年前、、合理的!と感心しました。
日本は住所、番地探すのは一苦労です。
番地は
セーヌ川を基本?として右岸であれ左岸であれ
セーヌ川に近い方は偶数、その向かい側セーヌに遠い方?は奇数ですよね
それにどんなに短い通りでも大きい通りでも名前が付いている、、
それを知った数十年前、、合理的!と感心しました。
日本は住所、番地探すのは一苦労です。
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kimanba at 2017-10-07 01:20
運命ってあるのだなあと思いました。kanafrさんの今日の記事。
若い頃から海外出張していらっしゃったなんてキャリアウーマンだったのですね とコメントしましたがまさかパリにも入社半年で来ていらっしゃったなんて
パリがkanafrさんの街になる運命だったのですね。と思いました。それにしても
kanafrさんも大胆。初めてなのにフランス語ばかりの地図でと感心。
あの頃(年代これまた勝手な想像ながら)ガイドブックあったと思うのですが
日本でガイドブックを購入して行こうとは思わなかったのですね。う~ん運命。
↑パリに慣れていらっしゃるwhitelacenonyoさんのコメントも凄いですねニコニコ
若い頃から海外出張していらっしゃったなんてキャリアウーマンだったのですね とコメントしましたがまさかパリにも入社半年で来ていらっしゃったなんて
パリがkanafrさんの街になる運命だったのですね。と思いました。それにしても
kanafrさんも大胆。初めてなのにフランス語ばかりの地図でと感心。
あの頃(年代これまた勝手な想像ながら)ガイドブックあったと思うのですが
日本でガイドブックを購入して行こうとは思わなかったのですね。う~ん運命。
↑パリに慣れていらっしゃるwhitelacenonyoさんのコメントも凄いですねニコニコ
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kanafr at 2017-10-07 06:47
whitelacenonyoさん 今晩は
パリは、小さな通りでも必ず通り名があるので、住所さえ分かれば、初めての場所でもいけますよね。
ええと、奇数と偶数の分け方は、右岸でも左岸でもセーヌ川を背にして左が奇数、右が偶数だったと思います。
通り名が新しくなることは、今迄もあったんですが、その場合、さすが年季の入り過ぎたミシュランだったので、新しい通り名が載っていなくて、ネット検索で初めて通りが新しくなったことを知りました。
パリは、小さな通りでも必ず通り名があるので、住所さえ分かれば、初めての場所でもいけますよね。
ええと、奇数と偶数の分け方は、右岸でも左岸でもセーヌ川を背にして左が奇数、右が偶数だったと思います。
通り名が新しくなることは、今迄もあったんですが、その場合、さすが年季の入り過ぎたミシュランだったので、新しい通り名が載っていなくて、ネット検索で初めて通りが新しくなったことを知りました。
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kanafr at 2017-10-07 07:11
kimanbaさん 今晩は
実は、入社と言っても私の場合新卒での入社ではなく、新卒で入った会社を辞めた後、この会社をご紹介くださった方がいての入社だったんです。
でもそれでも半年目の出張だったので、古いスタッフからの風当たり強かったですよぉ(苦笑)
この初パリは、最初パリとイタリアの2か国に行く予定だったんですが、航空ストで行けずパリだけになりました。だから逆に地理を覚えたのかもしれませんね。
先輩に渡されたアンアンなどの切り抜きを貼ったリストが住所が書いてあったので、ある意味ガイドブックになっていました。
ただ運命と言えば、最初に空港からホテルに向かっているある通りで“この通り、来た事があるような、何だか懐かしい気がする”と思った事でしょうか。
そして、初めてで、一人で動かなきゃいけないとかで、かなり大変だったのに、日本に帰りたくなくて、日本に戻る時、戻ってからも逆ホームシックになってしまった事かしら?(苦笑)
言葉もできないのに変ですよね。不思議です。
実は、入社と言っても私の場合新卒での入社ではなく、新卒で入った会社を辞めた後、この会社をご紹介くださった方がいての入社だったんです。
でもそれでも半年目の出張だったので、古いスタッフからの風当たり強かったですよぉ(苦笑)
この初パリは、最初パリとイタリアの2か国に行く予定だったんですが、航空ストで行けずパリだけになりました。だから逆に地理を覚えたのかもしれませんね。
先輩に渡されたアンアンなどの切り抜きを貼ったリストが住所が書いてあったので、ある意味ガイドブックになっていました。
ただ運命と言えば、最初に空港からホテルに向かっているある通りで“この通り、来た事があるような、何だか懐かしい気がする”と思った事でしょうか。
そして、初めてで、一人で動かなきゃいけないとかで、かなり大変だったのに、日本に帰りたくなくて、日本に戻る時、戻ってからも逆ホームシックになってしまった事かしら?(苦笑)
言葉もできないのに変ですよね。不思議です。
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whitelacenonyo at 2017-10-07 21:31
kanafrさま
私の書き方がまずいですね〜
セーヌ川を背にして、、では左が奇数右が偶数ですね。
セーヌを上流から下流に並行しての通りですとセーヌに近い方が偶数
と教わり、いつも使わせていただいているアパルトマンは
セーヌに近いから偶数と覚えていました。
マダムヴォージェルのアパルトマンはセーヌを背にして右側ですので偶数でした。
知ったかぶりで、、申し訳ありません。
間違っていましたらまた教えてくださいませ。
私の書き方がまずいですね〜
セーヌ川を背にして、、では左が奇数右が偶数ですね。
セーヌを上流から下流に並行しての通りですとセーヌに近い方が偶数
と教わり、いつも使わせていただいているアパルトマンは
セーヌに近いから偶数と覚えていました。
マダムヴォージェルのアパルトマンはセーヌを背にして右側ですので偶数でした。
知ったかぶりで、、申し訳ありません。
間違っていましたらまた教えてくださいませ。
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kanafr at 2017-10-07 23:20
whitelacenonyoさん 今日は
この奇数偶数の件を、わざわざ書いてしまい、こちらの方こそすみません。
でも、ご訪問くださる方の中には、コメントやレスポンスまで読んで下さる方がいらっしゃるみたいなので、近いとすると迷う方がいらっしゃるかなあと思い、書かせていただきました。
私もうっかり間違ったりという事が多いので、ご指摘いただければ有難く存じます。よろしくお願いいたします。
この奇数偶数の件を、わざわざ書いてしまい、こちらの方こそすみません。
でも、ご訪問くださる方の中には、コメントやレスポンスまで読んで下さる方がいらっしゃるみたいなので、近いとすると迷う方がいらっしゃるかなあと思い、書かせていただきました。
私もうっかり間違ったりという事が多いので、ご指摘いただければ有難く存じます。よろしくお願いいたします。