2018年 05月 15日
本によって知るモードの世界
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片付けをするつもりだったのに、久しぶりに見つけた本を広げて、しばし中断...私の場合、よくある事です。
先日、そんな片付けの時に見つけたのが、このファッション本“Un siécle de mode=モードの時代”
本の制作者名はキャスリーンヌ・オーメンとなっていますが、この本の監修者としてイネス・ド・ラ・フレサンジュが書かれていました。
ただこの本のちょっと不思議なのは、カール・ラガーフェルドは、独自のブランドも立ち上げているのにシャネルの印象が強いからなのか、その名前はなく、また自身のブランドブティックも存続しているにもかかわらず、あの事件がいまだに糸を引いているのかジョン・ガリアーノの名前もなく、そしてイタリアモード界の大御所であるジョルジュ・アルマーニの名前もない事でしょうか。
とは言っても、十分見ごたえのある本です。
この本の中身は、単に写真や文章の羅列ではなく、以前ご紹介したサンローランの本と同じようなちょっとした付録がついています。
各ページには小さなポケットがあり、デザイナーの手によるコレクションのデザイン画のプリントが入っています。
例えば、ディオール
ランバン
マダム・グレ
そしてもはや日本人でもフランス人のデザイナーとして名高い高田賢三など...
こんな機会がなければ見る事のないデザイン画の数々...それだけでも十分楽しめます。
そして服でありながら、アート作品にも見え、ウットリするような素敵な世界を作り出しているファッションもあれば、時には、着るという本来の服の目的が忘れられ、そこに人は、存在するのだろうか?と思うようなファッションもあります。
主役は着る人なのか、それとも服なのか、一体、どっちなんでしょうか?
まさに色々なスタイルがあり、色々な感情と表情を引き出してくれるのが、モードの魅力です。
ファッションの中は、今までにない新しい自分を引き出してくれる服もあれば、その人が着る事によって、その服の魅力を引き出したと感じる時もあります。
ただ着るだけのファッションではなく、選んだスタイルが、その人自身を語るものになったら、服に着られず、服を着る事になるのかもしれないですね。
美しいモードの世界を見せるだけではなく、色々な事を感じさせてくれた本でした。
先日、そんな片付けの時に見つけたのが、このファッション本“Un siécle de mode=モードの時代”
この本で紹介されているのは、すでに亡くなられたデザイナーはじめ、現在も活躍
しているデザイナーを含めた32名。
シャネル、ディオール、サンローランと言ったフランスを代表するデザイナーは
勿論の事、ココ・シャネルの前の時代を創り上げたポール・ポワレはじめ、ジャン・パトウやソニア・リキエル、ゴルチェなどのフランスのデザイナーだけではなく、
日本人デザイナーの高田賢三、三宅一生、山本耀司、そしてイギリスのデザイナー
ヴィヴィアン・ウエストウッドの名前もあり、最後は21世紀を語るデザイナーとして2016年からフランスの人気ブランド「コントワー・デ・コトニエ」のクリエイティヴディレクターになっているアンヌ・ヴァレリー・アッシュでした。
ただこの本のちょっと不思議なのは、カール・ラガーフェルドは、独自のブランドも立ち上げているのにシャネルの印象が強いからなのか、その名前はなく、また自身のブランドブティックも存続しているにもかかわらず、あの事件がいまだに糸を引いているのかジョン・ガリアーノの名前もなく、そしてイタリアモード界の大御所であるジョルジュ・アルマーニの名前もない事でしょうか。
とは言っても、十分見ごたえのある本です。
この本の中身は、単に写真や文章の羅列ではなく、以前ご紹介したサンローランの本と同じようなちょっとした付録がついています。
各ページには小さなポケットがあり、デザイナーの手によるコレクションのデザイン画のプリントが入っています。
例えば、ディオール
ピエール・バルマン
ジャン・パトウ
スキャパレリ
モードというのは、時代によって生まれ、変化し、そして時代の流れの中に消えて
行きます。
でも、そうやって時代に合わなくなったという事で消えて行ったものが、何十年と
いう時を経て、再び新たなスタイルとして蘇るのも、モードの世界の不思議さでありモードの世界は、不変なんだと感させる所以でしょうか。
そして服でありながら、アート作品にも見え、ウットリするような素敵な世界を作り出しているファッションもあれば、時には、着るという本来の服の目的が忘れられ、そこに人は、存在するのだろうか?と思うようなファッションもあります。
主役は着る人なのか、それとも服なのか、一体、どっちなんでしょうか?
普段は何も考えずに見ていた服に、そんな言葉が浮かんできてしまうのは「服とは、人が着る物」という本来の目的を離れ、服という素材で表現したアート作品だから
なんでしょう。
其れもまた、モードとしての在り方の一つなんだと思います。まさに色々なスタイルがあり、色々な感情と表情を引き出してくれるのが、モードの魅力です。
ファッションの中は、今までにない新しい自分を引き出してくれる服もあれば、その人が着る事によって、その服の魅力を引き出したと感じる時もあります。
ただ着るだけのファッションではなく、選んだスタイルが、その人自身を語るものになったら、服に着られず、服を着る事になるのかもしれないですね。
美しいモードの世界を見せるだけではなく、色々な事を感じさせてくれた本でした。
☆スタジオかるぺ・でぃえむの記事、更新しました。
色々な事があるパリですが、見ていると爽やかな風を感じるBHVの素敵なポップショップをご紹介しています。
by kanafr
| 2018-05-15 09:27
| 本、雑誌
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Comments(2)
Commented
by
すっとこ
at 2018-05-17 10:23
x
うううううううううううううううううううーん!
確かに 洋服によって その方の思わぬ魅力が
光る場合や 着る人が洋服を輝かせる場合、
更には ガンバリ過ぎたのか 洋服に着られて
しまった感が滲み出ちゃう場合。
モードは深い。モードは謎。
流行り、というものも不思議だし
波が引くと 途端に色褪せる洋服と
色褪せることなく今も新鮮な服。
うううううううううううううううう。
NYでもイッセイミヤケの洋服をアート
として扱って 近代美術館で大きな展覧会
が開催されたことがありましたっけ。
確かに 洋服によって その方の思わぬ魅力が
光る場合や 着る人が洋服を輝かせる場合、
更には ガンバリ過ぎたのか 洋服に着られて
しまった感が滲み出ちゃう場合。
モードは深い。モードは謎。
流行り、というものも不思議だし
波が引くと 途端に色褪せる洋服と
色褪せることなく今も新鮮な服。
うううううううううううううううう。
NYでもイッセイミヤケの洋服をアート
として扱って 近代美術館で大きな展覧会
が開催されたことがありましたっけ。
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by
kanafr at 2018-05-18 07:30
すっとこさん 今晩は
日本で仕事をしていた時は、コレクションの準備の為に、アメリカからの資料などを取り寄せて流行を分析して新製品のデザインコンセプトを作るんですが、流行というのは、ある意味必然的な物から創り出される場合もあり、そういう分析をしていると音楽や食べ物やと自然現象などあらゆるものがその時の流行を作り出す素になっていると感じました。
今は商品があり過ぎて、すでに生れた時からファッションの波の中にいた若い方達でさえ、何を着ていいか分からないとおっしゃる方が多いですよね。
だから、すっとこさんのご友人のリーリーさんを頼る方が、ますます増えていくと思いますよ。頑張れ~!!!
日本で仕事をしていた時は、コレクションの準備の為に、アメリカからの資料などを取り寄せて流行を分析して新製品のデザインコンセプトを作るんですが、流行というのは、ある意味必然的な物から創り出される場合もあり、そういう分析をしていると音楽や食べ物やと自然現象などあらゆるものがその時の流行を作り出す素になっていると感じました。
今は商品があり過ぎて、すでに生れた時からファッションの波の中にいた若い方達でさえ、何を着ていいか分からないとおっしゃる方が多いですよね。
だから、すっとこさんのご友人のリーリーさんを頼る方が、ますます増えていくと思いますよ。頑張れ~!!!